キミと僕の記憶
「何言ってるの!
もしその子が居なかったらあんたどうなってたのよ!
余計に迷惑でしょうが!」
やぶ蛇をつついた気分に私は閉口した。
「全く!」
1人で怒るママは立ち上がって冷蔵庫を開けた。
何かを探しながらもブツブツ言う。
「あんたには教訓って言葉が無いのかしらね!
また子供の頃みたいに溺れて助けられるなんて……」
バタンと蓋を閉め取り出したマヨネーズをサラダにかけ始めた。
私はそのママの顔を凝視する。
今、なんて言った?
「――ちょ、ママ…?」
戸惑いながら話しかけると、は?という顔をされた。
「私、子供の頃に……
溺れたことがあるの?」
.