キミと僕の記憶
食後に私はリビングの本棚に並ぶ家族のアルバムを手にした。
古いアルバムは表紙の色があせている。
赤ちゃんの私から順に時代を辿っていくと、4歳の時に生まれた弟を抱いている写真があって。
それは確かに記憶としても残っているのだ。
さらに次のアルバム。
幼稚園の発表会の写真。
私はピンクのサテンドレスで踊っている。
これも覚えてる!
その次のページ……
私は目を見開いた。
天気が良さそうな昼間。
ゴツゴツの岩場と砂利、透明な川の流れ、うっそうと広がるバックの森。
私は
5歳の私は従兄弟のまぁくんとピースをして写っている。
砂遊びをしている私。
歩き始めた弟の手を引く私。
川に足をつけている私の後方には、反対岸を歩く揃いの青い制服を着た少年達が写っていた。
その青が目に入った瞬間。
私の中で
何かがはじけた。
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