攻防戦‐KisS
そもそも、いつからつき合い始めたのだろう。

ちょうど一週間前、
喫茶店から出て、いつものようにお互いの帰路に着くはずだった。

呼び止めたのは透だった。


『俺たち、つき合ってるんだよね』


その同意を求める疑問文に私はうなずいただけだった。

それで、全てが成立したのだ。


否定していたら、きっと、「そうだよね」と笑って友達という名目で変わらない放課後を過ごしていただろう。

臆病者。


「ねえ」


質問の答えを催促するようにのぞき込む透。


顔近ぇよ。


その口にクッキーを突っ込みつつ、押しのける。
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