攻防戦‐KisS
「陽乃が、好きだから」
透の声が響いた。
ああ…
「私も」
こんなにも簡単に答えが出るものだったのだ。
悩まずに、逃げなければ、
透はいつだってまっすぐに私を受け止めてくれる。
「私も透のことが好きだよ」
涙と共に、気持ちが溢れる。
優しいけれど、時々いじわるなところが好き。
子犬のような無邪気な仕草が好き。
私のことをずっと見てくれているところが好き。
二人で過ごす時間が好き…。