攻防戦‐KisS
すかさず、伸びた手。
私の指ごとクッキーを食べる。


「あ!ちょっと!!」


柔らかくて粘液を纏った舌の感触。

力ずくで取り返し、睨みつけた。


「俺は長かったな。」


悪びれず微笑む様子は、どこか柴犬に似ている。

そして、透はこう付け加えた。


「千年くらいに感じた」


寿命越えちゃってるよ!


「ああそうですかー。
クイズ出して自分で答えるタイプだねーあんたは
じゃあ問題!世界の中心にいる虫なーんだ」

「ああ、あの映画見たことないんだよね。
主人公なんて名前だっけ…」

「…虫だよ。なぞなぞだよ」
< 4 / 44 >

この作品をシェア

pagetop