攻防戦‐KisS
「仲直りのちゅうして?」


いや、その台詞は鳥肌立つから。

個室とは言え、先生はカーテン一枚隔てたところにいる。

絶対に聞こえている。


「仲直りしたくないの?」

「…じゃあ手離して」


自由になった片手で透の頭を引き寄せ口づけた。

額に。


額も雑菌がいそうだが、見下ろす透は別のことまでしそうで怖い。


「は?」

「ん?」


不満そうな透。


「してくれないならしてやる!」

「やっ!ちょっと待って!!」

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