吹奏楽同好会だ!

「こんにちは~」

音楽室の扉を開けて、俺が挨拶すると、

「また、遅刻?村山君。今月で何回目だと思ってるの!」

同好会のリーダー的な存在である西野先輩は怒った顔でそう言った。三つ編みで眼鏡をしている西野先輩は出席簿に「村山君また遅刻」と書いた。

「お前、また担任に呼ばれたのか?」

やたらと低い声が音楽室の奥から聞こえる。悪友の坂本だ。

「村山は頭悪いからな(笑)授業中すぐ寝るし」

その言葉にカチンと頭にきた俺は、拳に息を吹きかけながら言い返す

「坂本?お前ケンカ売ってるのか?」

「なんだ!久しぶりにやるか?」

坂本も体の関節を鳴らしながらやる気まんまんだった。

「先輩達!」

俺と坂本がケンカを始めようとすると、西野先輩の隣に座っていた、後輩の明石が大きな声で言った

後輩の明石は西野先輩の隣で、座っていることが多い女子だ。華奢な体をしている割には、運動神経が抜群のくせになぜか吹奏楽同好会に入っている不思議な奴だ。

「ケンカはほどほどに。」
後輩の明石は、なぜか人を殺せそうな笑顔でそう言った。

その怖い笑顔に俺と坂本は
「すみません」

と直ぐに謝って自分の楽器を出しに楽器庫に向かった
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