吹奏楽同好会だ!
「今日は、なんの曲やるんですか?」
俺は自分の貯金で買ったトランペットを片手に西野先輩に訊いた。
「う~ん。特にないよ、何かやってみたい曲ある?」
とクラリネットを吹くのを止めて逆に質問をしてきた西野先輩。俺は坂本のほうをさりげなく見る。
坂本は
「俺も特にないですね」
と言って、サックスをテーブルの上に置いた。
「ウチ、やりたい曲あります!」
とタンバリン片手に西野先輩を見てそう言った、後輩の明石は、楽譜の入っているファイルからタイトルが英語の楽譜を出した。
「これなんて読むんだ?」
と英語が読めない俺
「Country Road。読めないのかお前?」
と坂本は笑いながらそう言った。
「カントリーロード。この曲懐かしいね、小学校の時によく歌った」
と懐かしむ西野先輩。
「先輩達知ってますよね?」
と嬉しそうに訊いてくる後輩の明石。
「カントリーロードってなんですか?」
未だになんの曲かわからない俺がそう言うと
「…………」
坂本と西野先輩、後輩の明石は、はあああ~とため息をついた