短い夏休み
のん気に眠っている将太の向こうの窓に目をやると

空は真っ青に光り

緑は勢いよく生きていた

時折、入ってくる風は少しぬるく

夏を感じられる

私は夏を意識してなぜかとてもうれしくなった

「何、ニヤニヤしてんだよ」

うつ伏せのまま、寝ている将太がしゃべった

将太の方に視界を戻すと

目があった

いつの間にか起きていたのだ

「夏だなーって思って」

私はまた窓を見て先生に聞こえないよう、小さくしゃべった

「ふーん」

将太はムクリと起き上がり窓を見た

少し経ってからこちらに向き直し

「もうすぐだな。俺らのラストサマー」

少しはにかんで言った

「うん」

「俺も気合い入れて練習しなきゃなー。よし。気合い入れて練習するためにまた寝る」

そう言うと将太はまた元の状態に戻った

私はそれを少し笑って

授業に戻った
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