赤い半纏

「すみませんが、傘に入らせていただいてもよろしいでしょうか」

白いタートルネックの上を見れば、男の顔があった。
なかなか、鼻筋の通った顔をしている。まだ、若い。

目を閉じているのかと思ったが、どうやら微妙に開いているらしい。
・・・・糸目、ね。いや、ほんと瞳の中が見れないほど閉じられているような。

目も口もゆるやかに曲線を描いているので、笑顔だと思うけど・・・何か怖い。

そして、背がすごく高い。私がものすごく低いので、どうしても頭を上げなければならない。
相手にも見下ろされている感じがして、差を見せ付けられているような気がして、少し嫌悪感に苛まれる。
ま、今に越したことではないしね。





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