赤い半纏
いつもどおり?
「徳大寺、今度俺と映画見に行かねぇ?」
「デパートでかわいい髪留め見つけたからよぉ、チコ、やる」
苗字呼ばれならまだいいが、あげく勝手に名前で呼び捨てでよんでくるやつもいる。
「あの、私トイレに行ってきますので・・・・・」
出せる限りの苦笑いをだして、立ち上がる。
そして、すぐに数人の男子に囲まれる。皆背が大きいから、私はとらわれたみたいにすっぽりうまってしまう。
「徳大寺さん・・・・今日の給食は、いっしょに食べようぜ?な」
中でもリーダー格の、頭が金髪プリン頭耳にピアス13個の人が腰を低くしてかなり顔を近づけてしゃべってくる。
いやいやいや、私あなたの名前すら覚えてないのですが。とは言えない。
一応、家柄のイメージを保つために優等生でいる責任があるのだから。