赤い半纏
なんでこんなに私に親切なんだろう。
って、二ヶ月間のことを思い出して考えてみる。

入学式では、ぶすっとしていた私の話を聞いてくれた。

私のクラスの担任として決まると、何かと面倒を見てくれた。


でも、どこか変わり者。今の授業だって、クラスでは自習にして花壇の手入れをしに来たに違いない。あんまり先生って感じがしない。


「先生」

「はい、何ですか?」

「名前、なんていうんですか?」


先生は一瞬驚いた顔をしたが、またすぐに笑顔に戻って、

「花泉義明です。以後お見知りおきを」なんて、のたまう。



「じゃあ、これから花先生って呼びますね。もしくは、フラワー」

「それは・・・・また、嬉しいような悲しいような」



そして、私はその場を去る。

花先生は花壇の手入れの作業に戻る。

いいんだ。これが日常。



余韻がたっぷり残されて、過ごしていく。





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