赤い半纏

赤い半纏

「あー、やっと学校が終わった!かったるー」「今日さー、駅前に新しいお店ができたの。みんなで行かない?」「ほんと?行く行く!最近、遊ぶことが少なくて退屈してたとこだったしー」「ていうか、このクラス女子少ないよねー。あさみとゆきりんとぉ、徳大寺さんと、後三名略」「略ってぇ、ひどいね、あさみー」「あさみにとってひどいはほめ言葉でございます。だって、三人とも全然話も何にもしないんだもん。名前を覚えてなくても当然じゃないー?」「きゃははは、確かにぃ」「あ、俺らも混ぜろよぉ」「ちょうどよかったぁ、ケンも行かない?」





ボーっとしてたらいろんな会話が入ってきた。
まぁ、もしかしなくても鈴木麻美と田中由紀の会話だろう。
最後の方のケンさんやらなんやらはもうわからない。

確かに20人のクラスに5人の女子は少ない。でも、四分の一だから割合的にはどうってことない。

私の名前は一応会話に出すんだなぁ。
そう思うと、自分がどういう存在になっているのかますますわからない。
私が聞いたある話では、モテる女の子は苛められるという鉄則があるというらしい。

あら、それともそれ以前に私はモテていることにはならないのかしら?
恋愛は難しいですわねぇ、おほほほ。







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