ラブプレ☆マニア
1.アニキとアタシ
「あ、あの!!」
場所は裏庭
人通りが少ないから、カップルのイチャイチャや、告白にはうってつけの場所。
あたしの前にも、顔を真っ赤にさせた男の子が一人。
イケメンやのにかなりの純粋さんやって噂の、隣のクラスの……佐藤くん?
「あ、あの、俺……隣のクラスの田中って言うんやけど……」
あ、佐藤じゃなくて田中ね。
「ずっと、相沢さんのこと好きやった!付き合ってほしいです!」
「ごめん」
「早っ!!」
「うん。あたし、好きとかわからんから。じゃ」
彼に向かって手を上げると、彼は放心状態で立ち尽くしていた。
くるりと彼に背を向けると、校舎に向かって歩きだす。
実は、お昼ご飯の途中なんよね……
お腹空いた!!
校舎に入ろうと、方向を変えた時……
ぐいっ
「キャッ!!」
気付いた時には目の前が真っ暗になっていた。
この匂いは……
「兄貴」
「おう」
しゃがんでいる兄貴に抱き締められてるから、体勢はキツイし息はできない。
「離して」
「なんで」
「離せ、アホ兄貴」
「ちっ」
腕がゆるんだ隙にパッと顔を上げると、そこにはいつも通り意地悪に笑ってる兄貴がいた。
*