ラブプレ☆マニア



「あー、ちょっと。」


まさかミチの誕生日プレゼント買いに行くなんて言えんし。


もうこれ以上聞かんといてくれ……って俺の願いは通じず。


「帰ってくる?」


また答えにくい質問を……。


「……ごめん」


そうとしか答えられん。


だって今日の夜はみんなでパーティーやからたぶんオールやし。


帰ってはこんけど、それがミチの誕生日パーティーとは言えんし。


俺はミチの頭を撫でるとリビングを出た。


「待って、兄ちゃん!」


ミチが追いかけてくる。


ほんまもう、これ以上聞かれるとバラしてしまいそう。


「兄ちゃん、どこ行くの?!あたしを置いてどこ行くの?!」


「………」


「兄ちゃん!」


俺はミチの呼びかけに答えず家を出た。


ごめん、ミチ。


今はまだ言えん。



**************


なんとかミチへのプレゼントが買え、これからパーティー会場のメグミさんのアパートに向かうって時。


トイレのそばで男たちが集まっていた。


なんかわからんけどめっちゃ嫌な予感がした俺は、そっちに向かった。


そして、男たちに囲まれるミチの姿を見た時、心臓が止まったかと思った。


「ミチ!」


男たちを掻き分けて進む。


男たちを追い払うと、俺はミチのほうを向いた。


「ミチ、ここで何してんの?」


ミチは一瞬目を泳がせた。


「に、兄ちゃんこそ……」


「……お前、危ないからもう帰れ」


心配で、心配で。


ミチに何かあったら俺、心が壊れる。



*
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