ラブプレ☆マニア


その日の夜。


あのベテランナースが俺の病室に来た。


「採血の検査結果出たよ」


「ふーん」


「あんたO型じゃなかったよ。B型やったで」


「は……?」


え、どういう意味?



「嘘やろ?」


「なんであたしが嘘つくんさ」


なんで?


そんなんありえんし。


だって、親父A型で、おかんO型。


ミチもO型やし、俺がB型なわけない。


「だって、なんで……ありえん……」


「まぁ、どんな事情かは知らんけど。あんたは100%B型。」


ナースが検査結果言ってたけど、俺の耳にはもちろん入らず。


もしかして


いや、喜んでいいのかわからんけど、普通の、女としての幸せをミチにあげられるかもしれん。


ナースがどっか行ったのを見計らって、俺は病院を抜け出した。



そしてやってきたのは、母親の職場。


「おいババア!」


松葉杖をつきながらすごい勢いで乗り込んできた俺におかんは頭突きをくらわした。


「誰がババアや!」



頭突きの痛さに悶絶しながら、俺はおかんを見る。



「俺、B型ってどういうことや……」


「は?」


「血液検査したんや!なんでA型とO型の両親からB型が生まれんねん!」


「………」


「答えろ」


「親になんて口聞いとんねん!」


俺はまた頭突きをくらった。



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