ラブプレ☆マニア


「こんにちはー!」


合コン会場に入ると、アイが言う。


そして……、男たちの視線が降りかかる。


思わず顔が引きつりそうになると、アイに横腹を摘ままれて「笑顔!」と小声でささやかれたから無理やり笑顔を張り付ける。


舌打ちをしそうになると、アイにキッと睨まれた。


あたし以外は順調に合コンは進み、自己紹介も終わったところで、誰かが席替えを提案した。


ちっ、めんどくさいな……


そして、あたしの隣になった男は「胡散臭い」という言葉がぴったりくるような男やった。


「こんにちは、ミチホちゃん」


あぁ、もう名前にチャン付ね。


なんて思いながら、精一杯の笑顔で「こんにちは」と返す。


この爽やかな雰囲気があたしには耐えられん。


逃げようかとした時。


「来てくれてよかったー」


男が喋り出して立ち上がれなくなってしまった。


「俺、プリクラ見てミチホちゃんのこと可愛いなって思っててん。」


あぁ、コイツか。


あたしを合コンに連れて来いって言った男は。


「アド教えて?」


なんで?って返そうかと思った時、タイミングよくアイが「ちょっとお手洗い」と部屋を出て行った。


「誰かがトイレに行ったら、着いていくんやで」


って、合コンの前にアイが言ってた。


「ちょっとトイレ行ってくるね」


隣の男に言うと、私は逃げるように席を立った。



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