ラブプレ☆マニア
「こんなとこで何してんの?」
「ミチこそ」
「あたしは……」
思わず、兄貴から目を逸らす。
「あ、目逸らした」
そう。私は、なにか後ろめたいことがある時や嘘を吐く時、絶対に目を逸らす。
……兄貴の目に、全部見透かされてる気がして怖いから。
なぜか兄貴は昔から私の考えてることをすべて知っていた。
兄の勘?なんかもしれんけど、私には兄貴の考えてることなんてまったくわからんし、兄貴のことは不思議で仕方ない。
今だって。
なんで兄貴の手が私の制服の中に入ってるかなんて、考えても考えてもわかるわけがない。
「ちょっと兄貴」
「ん?」
兄貴の手は、包むように私の胸を触っている。
「何してんの」
「んー、制服って萌える」
答えになってないし。
「んっ、あ…」
感じてるわけじゃないもん。
兄貴の手が冷たいから敏感になってるだけやもん!!
「このままシよ」
兄貴の目が私の目を捉える。
……あぁ、もう、逃げられない。
コクン、と頷こうとした瞬間。
「ヒロ様ー?!」
ビクン、兄貴の体が揺れた。
あ、ファンに追い掛けられて隠れてたわけね?
「ごめん、ミチ。逃げるわ」
「うん、モテる男は大変やね」
「お前こそ」
そう言って、兄貴は走って行った。
……やっぱり。告白されてたん、バレてた。
*