ラブプレ☆マニア


「ミチホちゃん、メール見てくれた?!」


大沢くんは走ってきて、あたしの前に立つとそう言って笑った。


「あ、うん見たよ……」


「そっか!じゃぁ、一緒に帰ろ!」


大沢くんは、兄ちゃんに握られてないほうのあたしの手を握ると歩き出した。


「あ、ちょ……!」


大沢くんはあたしを引っ張り


兄ちゃんは動かない。


だからあたしの体は、ピーンと伸びきった。


そこで大沢くんはやっと止まり、振り返る。


そしてあたしを通り越して、兄ちゃんを見た。


その顔は、あたしと兄ちゃんとの関係がバレた時みたいに冷たいものだった。


「あんた、だれ?」


兄ちゃんはいつも通りのダルそうな声。


大沢くんは、ニヤリと笑った。


「あんた、ミチホちゃんのお兄さんやろ?」


意地の悪い声。


兄ちゃんは「うん」と素直に答えた。


「この間、トイレでミチホちゃんとヤッてた」


ちょ、それ言うの?!


誰かにバレたこと、兄ちゃんは知らんのに!


兄ちゃんがどんな反応するか怖くて、あたしは俯いた。


だけど、あたしの耳に届いた言葉は予想外なものだった。


「うん。それが何?」


は、はい……?



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