ラブプレ☆マニア


「海行くのに、俺放っていくなんてヒドイやん!!」


なんで


なんでヤツがここに!


「みっちゃん、誰?」


「ウザキャラ……」


あたしの言葉に、マナはキョトンとしてたけど。


あたしに近づくために、海に入ってくるヤツから逃げる。


「ちょ、なんでミチホちゃん逃げるんや!」


「なんであたしがここにいるってわかったん?!」


「家に行ったら、お母さんが教えてくれてん!」


お、お母さんのアホー!!


それにしても。


アイツはウザキャラ通り越してストーカー認定か?!



その時。


あたしは逃げるのに必死で、だいぶ沖のほうに来てたことに気付かんくて。


そんなあたしに、マナが言ったんや。


「みっちゃん、危ない!」って。


そこで、あたしはやっと自分の状況に気づいた。


深すぎて、足は完璧につかん。


浮き輪があるのに、パニックになったあたしは溺れてしまった。


怖くて怖くて。


暗い海の底に、引きずり込まれるみたい。


あぁ、死ぬ前にもう一回兄ちゃんに触れてほしかったな、なんて思ってた。



*
< 36 / 108 >

この作品をシェア

pagetop