ラブプレ☆マニア



やけど兄ちゃんは、いつもあたしを優しい瞳で見つめていた。


見守ってくれていた。


なんで今まで、あたしはこんな簡単なことに気付かんかったんやろう?


「手、繋いで」


あたしが言うと、兄ちゃんはギュっと握ってくれた。


それだけで、あたしの心は満たされていく。


その時


「お、ミチちゃん目覚めたんか」


シンゴさんとヨウスケさんが部屋に入ってきた。


「あ、はい!迷惑かけちゃってすみません」


「何も迷惑じゃないから大丈夫やで」


ヨウスケさんは、そう言って優しく笑った。


「あと2部屋とってきたし、それぞれの部屋行こか」


シンゴさんがそう言うと、兄ちゃん以外みんな立ち上がった。


「ヤスとマナちゃんで一部屋使い」


「あ、ありがとうございます」


「で、俺とアニキで」


「お、俺は?!」


「あ?誰や、お前」


「おい、大沢。図々しく泊まる気か」


「ギャー!」


なんてやりとりを、あたしは笑いながら見てた。


そんなあたしに、マナが近づいてきた。


「みっちゃん」


「マナ。今日はありがとね」


「ううん。私、いつでもみっちゃんの味方やから、頑張ってね。」


「うん、ありがとう」


「じゃぁ、おやすみ」


「うん」


あぁ、あたし、ほんまにマナが親友でよかった。


ほんまにいい娘や……



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