ラブプレ☆マニア
「あの、通れないんですけど」
そう言うと、男の人たちは下品な笑い声をあげる。
「お姉さん、気強いね。俺らMだからさ~」
知らんわ、気持ち悪い。
早く逃げたいけど、動けへんし。
どうしようかな……って思った時。
「ミチ!」
声が、聞こえた。
そして、あたしに群がる男の人たちを掻き分けて
あたしの前に立った。
「この娘、俺のツレなんで。」
それを聞いて、男の人たちは「なんや、男いるんか」とかなんとか言って、いなくなった。
みんないなくなると、その人はあたしを振り返った。
「ミチ、ここで何してんの?」
「に、兄ちゃんこそ……」
兄ちゃんは、あたしを無表情で見つめる。
「……お前、危ないからもう帰れ」
なんで、なんでそんなこと言われなあかんの?
「あたしは……!」
言い返そうと思った時
「ヒロくん?」
女の人の声が聞こえた。
声のほうを見ると、そこには綺麗な女の人が立っていて。
「メグミさん……」
兄ちゃんの声は、焦ってるように聞こえた。
なぁ、兄ちゃん。
あの人とどういう関係?
もしかして、今日はずっとあの人と一緒にいたん?
もしかして、あたしはほんまに
兄ちゃんに捨てられんの……?
「もういい!」
怖くなって、あたしは走りだした。
「ミチ!」って、あたしを呼ぶ声が聞こえた気がしたけど
あたしは、止まることができなかった……
*