ラブプレ☆マニア
デパートを出て、しばらく走って振り返る。
だけど、そこにあたしの望んだ人の姿は無くて。
「ふっ、うぅ……」
やっと、自分の気持ちに気づいて。
兄ちゃんに、抱きしめられて。
あたしは、幸せやったよ……?
たとえ、許されない恋でも。
兄ちゃんがそばにいるだけで、あたしめっちゃ幸せやったのに……。
兄ちゃんは、違った?
「すっげぇ好き」って兄ちゃんの言葉。
信じたあたしがアホやったんかなぁ……?
家に帰って、自分の部屋に行くと
布団にくるまって、泣き続けた……
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ピンポーンピンポンピンポーン
気の抜けるようなチャイムの音で、目を覚ました。
泣き疲れて、寝てしまったみたいで
外はもう薄暗かった。
誰か、来たんかな?
いいや、めんどくさいし。
どうせ、兄ちゃんじゃないし。
居留守を決め込もうと思った時
ガチャガチャガチャ
玄関の鍵の音が聞こえた。
え……、お母さん?
いや、お母さんは仕事やしお母さんのはずない。
兄ちゃんでもないし……
やとすると
泥棒?!
背筋が凍るのを感じた。
ちょっと待って、あたしがいるのがバレたら何されるかわからんやんな?!
よし、布団にくるまろう!
普通に考えたらバレるのに、パニくってたあたしはとりあえずもう一度布団の中に入った。
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