ラブプレ☆マニア


泥棒は、一度リビングに入ったみたい。


やけど、すぐにリビングを出た。


足音は2つ。


一人ならまだしも、二人なんて絶対勝てん!


絶対見つからんようにしな……っ


そう思ったのに


泥棒の足音は、あたしの部屋の前でピタリと止まった。


ちょ、ちょ、ちょ


どうしよー!!


そして、泥棒は扉を開けて部屋の中に入ってきた。


いや、でも


布団の中にいるとはバレへんやろうし!


だいじょう……バサッ


「ギャー!」


「ギャー!」


ヤバイ!


布団めくられた!


怖すぎて叫んでしまったけど……ん?


今の叫び声、聞いたことある気が……



「お前!ビックリさせんなや!」


……はい?


あたしは、恐る恐る目を開けてみた。


「や、ヤス……?」


泥棒の正体は、ヤスでした。


「おう」


ヤスは、いつもみたいに笑った。


「あ、あんた!うちから何を盗もうって言うんや!」


「は?」


「うちには何もないからな!」


「み、みっちゃん落ち着いて!」


……ん?


ヤスの横からマナが顔を出した。


ま、マナも泥棒やったってこと……?


「みっちゃん、私ら泥棒じゃなくてな。」


「お前を、捕まえに来てん」


は……?


最後に見たのは、ヤスのニヤニヤ顔。


あたしは目隠しをされ、両手を後ろで縛られてしまった。


「い、いやー!!」


この二人は、泥棒よりタチが悪かったんかも……



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