ラブプレ☆マニア


あたしはそのまま車に乗せられたみたい。


お母さん。


あたしは親友2人に誘拐されました。


もう、一生日の目を見れないかもしれません。


最後に思うのは


もう一回だけ、兄ちゃんに「好き」って抱きしめてもらいたかった、ってこと。


兄ちゃん、会いたいよ……


その時。


「よし、ミチ、降りるぞ」


ヤスが言った。


ほんまに、どこに連れて行かれるんやろ。


「よっと。」


「い、ギャー!離せ、変態!」


「お、おい、ちょっと暴れるな!」


ヤスに、お姫様抱っこというものをされてしまった。


「兄ちゃんにもしてもらったことないのにー!」


「頼んでしてもらったらいいやん……」


ヤスが呆れた声で言う。


そんな風に素直に甘えられてたら


捨てられへんかった……?


急にシュンとしたあたしに、「お、大人しくなった」って言うヤスの能天気な声が聞こえた。


しばらく移動して


「みっちゃん、着いたで」


って、隣にいるであろうマナが言った。


つ、着いたってどこに……?



ガチャッてドアが開く音がして


「おう、二人ともお疲れさん」


って声が聞こえた。


この声は……シンゴさん?



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