ラブプレ☆マニア



「俺ら兄妹やし結婚できひんから……せめて、これだけでも。」


兄ちゃんは、そう言うとケースから取り出して、あたしの左手の薬指にはめた。


「婚約指輪。」


「うわーん!」


もう、限界。


兄ちゃんが悪いんやから。


こんなに、あたしを感動させる兄ちゃんが悪いんやから……!


「みっちゃん、証人はここにいる人みんなやから。結婚できんくても、二人の愛の誓いはあたしらがしっかり見たからな!」


「マナ……っ!」


「ミチ……愛してる」


そう言って、兄ちゃんは甘い甘いキスをしてくれた。


あたし、めっちゃ幸せ。


認めてもらえへんのは、確かにちょっと辛いけど。


こんなに大事な仲間が応援してくれて


こんなに大好きな人があたしを好きって言ってくれて


これ以上望んだらバチが当たるって思うくらい。


「よっしゃ、メシ食うぞ、メシ!」


シンゴさんの声に、みんな動き出す。


あたしと兄ちゃんは至近距離で見つめあった。


「兄ちゃんは、指輪しんの?」


「もちろんしてるよ」


兄ちゃんの左手の薬指には、あたしとお揃いの指輪がはまってた。


「なぁ、ミチ。ウエディングドレスプレイとかいいと思わん?」


「……アホ」


二人で笑い合った。


兄ちゃんと一緒なら、あたしは何でもいいよ。


……とうとう、あたしも変態の仲間入りか?



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