ラブプレ☆マニア
6.ナースの誘惑
新学期が始まった。
「ミチ、彼氏できたん?!」
アイのデカすぎる声に、クラス中の目があたしに向く。
「ちょ、声大きいって……」
「別に声小さくても一緒やって。みんなあんたに憧れて、気になってるんやから」
んー、それってあたしじゃなくてあたしの兄ちゃんが原因なのでは?
「そんなことより、なんであたしに彼氏できたと思ったん?」
「何言ってんの。左手の薬指に指輪つけといて。」
「うっ……」
バレたらあかんからつけていかんとこかなって思ったんやけど……
嬉しいんやもん。
兄ちゃんも、つけてるんかな?
昨日学校から帰ってきた時はつけてたから、たぶん学校でもつけてるんやろう。
……あかん
顔の筋肉めっちゃ緩い。
「それにな」
アイが、続ける。
「ミチ、前は今ほど表情多くなかったもん」
「え……?」
「前は告白されても、まるで他人事みたいな顔してた。やけど、昨日新学期早々告白されてたやん?」
う……、なぜそれを……
「その時、ほんまに申し訳なさそうにしてたし。あぁ、恋の痛み、ちゃんとわかるようになったんやな。って」
「……あたし、前そんなに冷たかった?」
「うん、可愛い顔した鬼やと思ったな。」
「………」
*