ラブプレ☆マニア


「二人ともおはよー」


「おーっす」


そこに、マナとヤスが登校してきた。


「あ!二人なら知ってる?!ミチの彼氏!」


もしかして大沢くん?!と続けるアイに、ヤスはあからさまに嫌そうな顔をした。


「おい、その名前出さんといてくれ……」


「えっ?なんで?」


大沢くんを、ただの「爽やか系イケメン」だと思っているアイは、キョトンとした顔でヤスを見ている。


「あんなウザキャラ、俺初めて見たし……」


「そんなこと言って、なんだかんだ大沢くんのこと好きなんちゃう?この間も、あたしの誕生日パーティーに呼んでたやん」


「あ、あれは!たまたま街で会っただけや!」


「まぁ、照れんでもいいやん?」


ヤスの肩をポンと叩くと、ヤスはうなだれた。


「なんか、めっちゃショック……あんな奴を友達と地味に認めている俺がショック……」


そんなヤスを無視して、アイは考え込んでるみたい。


「大沢くんじゃないとしたら……」


ここで、間違っても兄ちゃんの名前は出んよね。


出たら困るけど、出ーへんのも寂しい。


だって、「兄妹」ってだけであの人はあたしの彼氏選択肢から外されるんやもんな……



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