ラブプレ☆マニア


その時。


「キャー!」


そんな声が聞こえて、クラスメイトの視線が一斉に教室のドアに向いてた。


……そこには。


「ミチちゃん!」


めずらしく焦った様子の、シンゴさんがいた。


「シンゴ先輩!笑って~」


「アドレス教えて!」


「抱いて~」


群がる女の子たちに、シンゴさんはイタズラな笑顔を向けた。


「今すぐ抱いちゃいたいけど、ゴメンね?今は時間がないから、また今度。」


その言葉に、女子たちの「キューン」って音が聞こえた気がした。


「さすがシンゴさん!俺には冷たく当たる女子たちをあんなにメロメロに……」


自分で言っといて落ち込むなって、ヤス。


「私の中ではヤスくんが一番カッコいいよ!」


「ま、マナー!!」


もういいって、バカップル……


あ、そういえば。


シンゴさん、あたしに用事じゃないんかな……?


シンゴさんを見てると、あたしの視線に気づいたのか小さく「あ。」と言った。


「忘れとった!ミチちゃん!ヒロが!」


「え……?」


兄ちゃんが、何……?


「バイクに轢かれた!」


は、はぁ?!


それ忘れたらあかんって、シンゴさん!


「一緒に病院来て!」


「はい!」


兄ちゃん、無事かな?


でも、シンゴさんの焦り具合を見たら嫌な予感がする……



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