ラブプレ☆マニア


そ、そんなことより!


「兄ちゃん、大丈夫なん?!」


「うん、大丈夫やで、ミチ。右足折れたけど、他は全然余裕。」


兄ちゃんは、あたしの頭を優しく撫でる。


「よかった……」


兄ちゃんにもしものことがあったら、あたし……


「ちょっと待って。」


安堵するあたしの後ろから、あのエロ看護師の声が聞こえた。


「今、兄ちゃんって言った?ヒロくんの彼女じゃないの?」


……ギク。


兄ちゃんが口を開こうとした時。


「ヒロくんてば変態だから~、ミチちゃんに「兄ちゃん」って呼ばれて妹プレイするのが好きみたい」


そう、シンゴさんが言った。


「え……。なぁんだ。まさか、「妹が彼女です」なんて言い出すんかと思ったわ」


エロ看護師は笑いだす。


……何よ。妹が彼女でなにが悪いんよ。


そう思ったけど、言えんかった。


この関係が罪なことは、百も承知やから。


「なぁ、お姉さん。ちょっと二人で話さん?……カラダで。」


「……っ」


シンゴさんはエロ看護師の腰に手を回すと病室を出ていった。



「シンゴさん、ほんまにいい人やな」


二人きりになった病室で、なんとなく恥ずかしくてそう言ってしまった。


それが、見事に兄ちゃんの機嫌を損ねてしまったみたいで。



*
< 58 / 108 >

この作品をシェア

pagetop