ラブプレ☆マニア
7.ウザキャラの逆襲
「兄ちゃん、帰ろー」
あれからしばらくして。
兄ちゃんは退院して、普通に学校に来ている。
松葉杖は、まだ取れてないけど。
兄ちゃんの教室に迎えに来ると、兄ちゃんは帰る準備をして立ち上がる。
「おう、おまたせ。」
ようやく慣れてきたのか、松葉杖の使い方もうまくなってきた。
「あー、めんどくさいなぁ。松葉杖。」
「うん。でもあとちょっとの辛抱やし。頑張ろ?」
「……ミチを抱けへんのがすっげぇ辛い」
「……っ」
そ、そんな子犬みたいな顔で見られても、あたしにはどうにもできんし!
「治ったら、一週間は離さんからな」
ひぃ!兄ちゃんならほんまにやりそうやから怖い……。
ゆっくり歩いて、玄関を出る。
……ん?
校門のところに、めんどくさいのが見えるのはあたしだけ?
「に、兄ちゃん。」
「あぁ…」
兄ちゃんにも見えてるみたいで。
同時に、深い深いため息をついた。
「ヒーロくーん!」
この、ムカつくほどねっとりした声。
……まさか、あのエロナースが学校にまで現れるなんて。
「なに?」
兄ちゃんが不機嫌に言うと、エロナース、もといマユミは腰をクネクネさせる。
「なにってー、ヒロくん、知らないうちに退院しちゃうんやもんっ」
……そりゃぁ、無理言ってマユミが休みの日にしてもらったもんな。
*