ラブプレ☆マニア


「帰ろ、ミチ。」


兄ちゃんは、立ちつくすマユミを無視して歩き出した。


恐る恐る振り返ってみると


マユミは鬼のような形相でこっちを睨んでいた。



*********************


「俺、シャワー浴びてくるわ」


「はぁい…」


兄ちゃんがいなくなったリビングに、あたしのケータイの着信音が響いた。


「大沢くん……?」


今日は、ウザキャラ二人も登場?


はぁ、とため息をつきながらも電話に出た。


『テンション低っ!』


電話の向こうの相手の第一声は、それだった。


「……なに?」


『あのな、今日タコ女会いにこんかった?』


タコ女って……


「マユミのこと?」


『そんな名前やったっけなぁ?ナースの、クネクネしとる奴!』


あぁ、完璧マユミやな。


「来たけど……なんで知ってんの?」


大沢くんは、信じられない言葉を口にした。


『あぁ、なんかな。この間俺に会いに来てん。俺がミチホちゃんを好きやったって知っててな、「あの二人の仲を壊しませんか?」って言われた。』


「えぇ?!」


マユミ、一体どこで調べたんや!



*
< 65 / 108 >

この作品をシェア

pagetop