ラブプレ☆マニア
「そういうの聞いてると、テクニックなんか関係ないと思う。テクニックがあっても相手を好きじゃなかったら、体は気持ちよくても心は気持ちよくないんや」
「………っ」
「マナ、ヤスがめっちゃマナのこと好きなんはわかってるやんな?」
マナは、ゆっくり頷いた。
「じゃぁ、ヤスを信じてみたら?」
「……っ」
「……ミチ」
その時
後ろから、落ち着いた声が聞こえて
「交代して」
あたしの肩に、手が乗せられた。
「マナ、頑張ってね。ヤスも」
一言言うと、あたしは立ち上がってその場を去った。
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「兄ちゃーん」
「おう、おかえり」
部屋に戻ると、兄ちゃんは畳に寝転んでいた。
「どう?」
「うん、たぶん大丈夫」
「そっか」
兄ちゃんは興味なさそうにあたしから顔を背けた。
でも、ちゃんと知ってるから。
兄ちゃんは、ほんまはすごい優しくて
誰よりも周りを見てること。
だから、ヤスもシンゴさんも兄ちゃんを慕ってる。
「……兄ちゃん」
「ん?」
ずっとずっと、あたしだけを見ていてほしい。
ずっとずっと、あたしが兄ちゃんの笑顔の理由でありたい。
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