ラブプレ☆マニア



「もし、お母さんにあたしとの仲認めてもらえへんかったらどうしてた?」


あたしが聞くと、兄ちゃんは一瞬あたしを見て、また顔を背けた。


「……わかんね」


兄ちゃんは、照れくさそうに俯く。


「今が幸せすぎて、ミチが隣にいーひんなんて想像できん」


「……うん、あたしも」


今ある幸せが、あたしにとってのすべて。



「……でも、片思いの時は、いつどうやってミチをさらって逃げようかって考えてたかも」


「え……」


「あーんなにわかりやすかったのに、誰かさんってばまったく俺の気持ちに気づかんねんもん」


さすがに傷ついた、って続けて兄ちゃんはあたしを抱きしめる。


「だ、だって……ただ、性欲処理やと思って…っ」


「俺の愛情伝わってへんかったんや」


兄ちゃんは少し切なそうに笑った。


だけど


だけどな、兄ちゃん


「でもあたし、兄ちゃん好きになってからわかったよ?兄ちゃんが、どんだけ優しくあたしに触れてくれてるか」


「………っ」


「ずっと、気づかんかってごめんな?」


「……ほんまに、遅すぎや…っ」


「うん」


兄ちゃんは、あたしの首に顔をうずめて泣いてた。



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