ラブプレ☆マニア
9.結局そうなる。
「みっちゃん、ほんまにサボんの?」
「んー、めんどくさいし」
「もう、ヒロさんの晴れ舞台やで?!」
……奴も、真面目に出席するとは思えんけど。
「別にいいよ。家帰ってから会えるし」
「もうっ!」
マナはまだ怒ってたけど、あたしは手を振ってその場を去った。
……今日は、卒業式。
つまり、兄ちゃんがこの学校を去る日。
ちょっと寂しくなるけど、どうせ家に帰ったらいるし。
…それに、左手の薬指にも約束の指輪がある。
ただ、同じ高校に行かない。
それだけのこと。
あたしは屋上のドアを開けると、綺麗な青空の下で思い切り背伸びした。
「気持ちいー!」
「ミチが言うとなんかエロいな」
「?!?!」
なに?!
声のしたほうを見ると、
意地悪に笑う兄ちゃんがいた。
一人しかいーひんと思ったのに!
「なんでいんの?!卒業式は?!」
「俺がマジメに出ると思う?」
……ううん、まったく思ってなかったけど。
「相変わらず不良やな」
「アホか。めっちゃマジメじゃ」
兄ちゃんはゆっくり歩いてあたしの隣に来た。
*