ラブプレ☆マニア
ヒロside
前編
ミチをさらって逃げてしまおうか
なんどそう、思っただろう。
「ヒロ様ー!」
なんでこう、休み時間のたびに逃げ回らなあかんわけ?
俺が嫌がってるとか、そんな空気は呼んでくれへんの?
「ヒロ、こっち」
急にシンゴが現れて、手招きする。
そこに行き、追いかけてくる子たちが通り過ぎるのを待つ。
「お互い大変やなぁ」
シンゴはふぅと息をついてその場に座り込む。
「もう、俺のことは放っといてほしい……」
俺が言うと、シンゴは同感、と呟いた。
「そういえば」
シンゴがニヤリと笑った。
「さっき、ミチちゃん見たよ。」
その名前に思わずビクリとして、シンゴを睨む。
「それが何。」
「強がっちゃって~。俺知ってるよ?ヒロがミチちゃん好きやって」
ニヤニヤが止まらない様子のシンゴに対して
俺はイライラが溜まる。
「なんで。」
「だって~ヒロくん最近遊んでないし?変態なヒロくんがヤッてないとは考えられへんのに。」
「………」
「だから、その相手にはマジなんやろうなぁって。俺にも言えへん相手ってミチちゃんしかおらんやん」
シンゴの鋭すぎる読みに、俺は言葉を失った。
*