ラブプレ☆マニア


「ただいまー」


家に帰ると、兄ちゃんの靴があった。


珍しい……


そう思いながらリビングに入ると、兄ちゃんの姿は見当たらなくて

でもソファの端から茶色い髪が見えてるから、きっと寝てるんやろう


そう思ったあたしは毛布を持ってきて、兄ちゃんにかけた。


案の定、気持ちよさそうに寝てる。


寝顔は可愛いのにな……


スベスベの肌に触ろうとした瞬間


兄ちゃんの目がパッと開いて、伸ばしていた手を掴まれた。


「び、びっくりしたぁ……」


兄ちゃんの目はうつろで、たぶん寝ぼけてるんかな?


「なんや、ミチか…」


「うん、起こしてごめん」


「んー……」


また急速に眠りに引き込まれていく兄ちゃん。


私は微笑むと、準備を始めた。



************

「よし」


準備が終わって時計を見ると、4時50分


そろそろかな?


鏡の前で最終チェックをして、リビングに行くと


兄ちゃんは起き上がっていた。


ゆっくりと、兄ちゃんの目が私のほうを向く。


「あ、起きてたんや」


「うん……」



*
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