ラブプレ☆マニア


「え……」


やっと声を出したヨウスケさんは間抜け面。


なに?俺そんな変なこと言った?



「おい、シンゴ」


「………」


「これ、ほんまにヒロか?」


そう言って、ヨウスケさんは俺の肩をツンツンしてくる。


なんやねん……と思っていると、シンゴも後ろからツンツンしてきた。


「うん、たぶん……」


「なに?どういう意味?」


ちょっとイライラしてきた俺は、二人の手を振り払った。


「そのミチって娘、お前の女?」


ヨウスケさんの言葉にズキリと胸が痛む。


「……なんで」


ぶっきらぼうに答えると、ヨウスケさんは言った。


「だって、お前……今まで付き合ってる女のこと何も言わんかったやろ。その女が俺の上に乗っかってても」


……うぇ。


思い出したくもない記憶。


昔、一回だけ抱いた女が「ヒロの彼女」って勝手に言いふらしてたらしい。


でも正直俺は興味なかったし、放っといた。


そしたら、俺がこの家に遊びに来た時


裸でヨウスケさんに跨ってた。


ヨウスケさんは彼女いるし、女が勝手にやってたんやけど


俺に見つかった瞬間、ソイツは「この人に襲われた」って、ヨウスケさんを指さした。


吐き気がした。


興味のない女と


信頼してるヨウスケさん


どっち信じるかなんて、決まりきってる。



*
< 93 / 108 >

この作品をシェア

pagetop