ラブプレ☆マニア
「妹やから、なんやねん」
「……っ」
「妹やから?お前は自分の気持ちから逃げるんか。違うやろ、お前は怖いんや。ミチちゃんに拒否されることがな」
何も、言えなかった。
図星やったから。
ミチはこんな俺を受け止めてくれる
世界でたった一人の、俺の大切なヒト。
そんなミチに俺の気持ちを受け取ってもらえへんかったら?
……俺の心は、完璧にヒカリを失う。
それなら、何もしないほうがいい。
ミチに拒否されるぐらいやったら、俺は自ら心を閉ざしたい。
そんな俺の弱い気持ちを、ヨウスケさんは見抜いてた。
たぶんシンゴも、見抜いてる。
「怖いに、決まってる。俺、ミチ以外に好きな女なんて絶対できん。やのにミチに拒否されたら……」
小さい俺の声を、ヨウスケさんとシンゴは相槌をうちながら真剣に聞いてくれる。
「ミチに拒否されたら俺、何も感じんくなる。感情が、なくなる……」
深い深い、闇やった。
嬉しい、悲しい、辛い、楽しい
誰もが持っている感情
それが、俺には欠けていた。
何も感じることができない俺は、ただなんとなく毎日を過ごして
生きているのか、死んでいるのか、自分でもわからなくて。
そんな闇の中で、一つだけ光が見えた。
その光は、小さくて
だけど確実に俺の心を照らしてくれる優しい光で。
その光は、俺に教えてくれた
「兄ちゃんは、生きてる。あたしのそばで。」
そう、彼女が微笑んだ時
俺にすべての感情が戻った。
本気で大切やと思った。
「なぁ、ヒロ。もうちょっと、ミチちゃんのこと信じてみたら?」
シンゴの言葉が胸に染みる。
「そこまで好きになれる人がいるってだけで、めっちゃ幸せなことやから」
俺は二人が涙に気づかないように、上を向いて目を閉じた。
*