ラブプレ☆マニア


その言葉に、シンゴは苦笑して俺を見る。



「んー、俺は遊びたいの山々なんやけどな?このワガママ王子がなぁ……」


あ?


「誰がワガママ王子やねん」


「明らかお前やろ。ちょっとは協調性ってもんを身につけろ」


「いやいや、俺とお前だけで来たんちゃうやろ。」


「そうやっけ?」ってヘラッて笑うシンゴに呆れて俺はため息をついた。


そして


遠くのほうに、見つけた。


俺が選んだビキニを身につけて、恥ずかしそうに歩くアイツを。


俺は、立ち上がって遠くのミチを見たまま女たちに言った。



「悪いけど俺、あんたらに興味ない。」


そしてヨウスケさんとヤスがいるパラソルの中に入った。


シンゴは女たちに「らしいわ~。ごめんな?」って言って俺の後についてきた。


ヨウスケさんがなんか俺に文句言ってる気がしたけど


俺はずっとミチを見つめてた。


時々、ミチをヤらしい目で見てる男たちを睨みつけながら。



「お待たせー!」


マナちゃんの元気いっぱいな様子とは反対に、ミチは恥ずかしそうに俯く。


そして、ミチは俺を見た。


何かを求めるみたいに。


なに?褒めてほしいの?


それやったら、言ったるわ。


お前だけに聞こえるように、耳元で。


「……めっちゃ可愛い」


俺の、本心を。



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