君の面影を探して
「…好きやねん」



怜桜はそう一言言うとまた黙り込んだ

満月は怜桜に抱かれ固まっている

2人共なにも言わない


「でも怜桜は…従兄やん」

自分に言い訳するかの様に満月は静かに呟いた


「満月は…俺のこと嫌い?」

「嫌いやない!」


満月はそう言ってバッと顔を上げた


「あ…」


満月の目に映る怜桜の目は涙で濡れている

怜桜は満月の目をジッと見つめてまた涙を一粒流した


その怜桜の顔が綺麗で

その瞳がとても綺麗で…


満月は心をきゅっと締め付けられる様な感覚になった
< 11 / 32 >

この作品をシェア

pagetop