君の面影を探して
「うち…怜桜のこと…」

そういう満月の目からはポロポロと大粒の涙が零れている

それを見て怜桜は無言で満月の体をギュッと強く抱きしめた



「俺…満月のことずっと好きやってん。でも従兄やし…毎日喧嘩しかせんし…ずっと満月の代わり探しとった。でもどの女も好きになれんくて…」

怜桜はそう言って満月を抱く腕に更に力を入れた


「俺には満月しかおらんねん」


そう耳元で呟くとそれっきり黙り込んだ

2人の間にまた沈黙が流れる

しかしさっきの様な気まずさは無くなっていた




─グーキュルルルル…

突然凄まじい轟音が部屋中に鳴り響いた
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