君の面影を探して
「…とりあえず買い物しよ」

客がいつ来てもおかしくないこの状況に耐えられずそう言って怜桜から少し離れた

怜桜は唇を突きだしてすねたようにしながらもしぶしぶかごを取りに行った


霧弥はそれを見て笑っている

満月も怜桜のその姿に笑いを堪えることはできなかった


怜桜はそれを気にせずヒョイヒョイとかごに食べ物を入れていく

その中には満月の好きな玉子のサンドイッチも入っていた

それを見つけて満月は幸せそうに笑って怜桜を見つめた


そして真剣な顔でアイスを選んでいる怜桜のところまで行って手をぎゅっと握った

もちろん恋人繋ぎで


怜桜はそんな満月を見てまた幸せそうに笑うとぎゅっとその手を握り返した

レジで霧弥に冷やかされながら会計を済ませ2人は繋いだ手を離すことなく家までの道をゆっくりと歩いていった

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