君の面影を探して
「怜桜ー?」

帰り道、満月はそう言って怜桜の腕にぎゅっと自分の腕を絡めた


「どした?」

「んー?んー…好きやで?」


すると怜桜は突然道の真ん中で立ち止まった

夜なのと田舎なのとで幸い車の通りはない



「走るで」

「は?」

そう言うや否や怜桜は全速力で走り出した


怜桜は中学時代、高校時代共に陸上部の顧問に勧誘され続けていた

最高タイムは確か100mが11秒台だったはずだ

ただ本人にやる気が無く陸上部には入らなかったが、



そんな人間に手を引かれ走られるとどうなる?



ちなみに満月は大の運動音痴で100mなぞ20秒以上かけて走りきる

必然的に満月は怜桜に引きずられていった
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