君の面影を探して


「きゃっ」


案の定しばらく行ったところで満月は転んでしまった

いや、転ぶ前に怜桜が抱き上げて間一髪転ばずに済んだ

怜桜はそのまま満月を抱いて走った


「なんで走るん!?」

「説明はあとや!ちょっと黙っとれ!」


そう言うと怜桜は更にスピードを上げた

しばらくして怜桜が走るのをやめた

辺りを見渡すとそこは家の目の前の海だった


怜桜は満月を砂浜にそっと立たせると自分はその場に腰を下ろした

そして満月も怜桜の隣にちょこんと体育座りをするのだった



──ザー…ザー…



波の音と怜桜の荒い息づかいしか聞こえない

目の前の海には月が映りこんでいる


それが波でゆらゆら揺れてすごく幻想的で…

満月も怜桜も黙って海面を見つめた
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