君の面影を探して
「で、なんで走ったん?」

しばらくしてハッと思い出した様に満月は怜桜に聞いた


「あー、後ろから変人…霧弥がついてきとった」

怜桜は海の方を向いたままそう言ってハハッと短く笑った

それを聞いた満月は辺りをきょろきょろ見渡している


「この俺様の俊足に霧弥なんかついて来れるわけないやろ」

今度は満月の方を見てニヤッと笑った

そんな怜桜を見て満月もまたニヤッと笑う


2人はお互い顔を見合わせて笑った


──♪~♪~

しばらくして怜桜の携帯が鳴った


「あ、愁斗や。もしもしー?」

「もっしもーし」


相手が愁斗と聞いて満月も受話器に近付いた

しかし向こうの声は微かにしか聞こえない

何を言っているのか解読不能だった


電話に参加するのは満月は怜桜から少し離れて砂浜を散歩しだした
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