君の面影を探して
月の光が2人を照らす

波の音だけが辺りに響いている

静かなときが過ぎていく


「好きやで?」

怜桜はそう言って満月の肩に顔をうずめた


「…怜桜はうちの何が好きなん?うちのどこに惚れたん?」

満月は息もつかずにそこまで言うと振り向いて怜桜の目をジッと見つめた

その目には涙が目一杯溜まっている

そんな目を見て怜桜は静かに微笑むと満月の頭を軽く撫でた


「お前自分がしんどいときも笑っとるやろ?風邪ひいて熱あるときも小6んとき男子にボコされて帰ってきたときも…笑っとったやろ?」

怜桜はそう言いながら砂浜と道路の境の階段に腰を下ろし満月を手招きした

そして自分の膝に満月を座らせて後ろからそっと抱きしめた


満月を何も言わない


「そうやって周りに気使うとこに惚れてん」

そこまで言うと怜桜も黙った



また長い沈黙が流れた
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