君の面影を探して
「ありがとう」

満月はそう言うと立ち上がり振り向いて怜桜を抱きしめた

それに怜桜も応える


2人は抱き合ったまま見つめ合った

2人の距離はだんだん短くなっていく

しかしあと数mmで唇が触れ合いそうなところで満月は顔を反らした


「…ゆっくりでえぇか」

そんな満月に怜桜は苦笑する


内心、満月を自分だけのものにしたくて堪らない

しかし満月を苦しめたくない

満月を困らせたくない

そんな気持ちが怜桜のその気持ちを引き留めていた



「…ちゅうしたい」


「え?」

怜桜は耳を疑った


『ちゅうしたい』

ちゅう=キス

そう理解するのには少し時間がかかった


それほどその満月の一言は怜桜にとって衝撃的だったのだ
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