君の面影を探して
しかし改めてキスするとなると気が引ける

…というか緊張する


満月は案外平然としていたが、怜桜の方はもう真っ赤になっていた

これではどちらが年上か分からない


怜桜はこれまでにいろいろな女性と経験を積んできた

今までは全く緊張などしなかった

初めてのときですら平然としていられたのだから


しかし今、いざ目の前の”彼女”とキスをする

その行為に対して心臓が破裂しそうなほど緊張している

平然となんてしていられなかった


「…怜桜?」

真っ赤になって固まってしまった怜桜に心配そうに満月は触れる


満月に触れられたところが熱くなるのを感じた

すぐ近くに満月の顔がある

それだけでもう怜桜は満足だった


しかし満月がせっかくその気になったのだ

この機会を逃せば男が廃る


「み…満月」

「ん?」


怜桜は少しずつ、しかし確実に満月に近付いていった
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