君の面影を探して
「分からんー!」

まだ中学1年生の満月には定期考査という地獄の期間がある


現在4月29日


GW明けには人生初の中間考査が待っているのだ

しかし満月の頭は残念なものでテスト範囲1ページ目からつまづいている


「お前…ここ小学生の復習やん」

中卒だが中学での成績は良かったと言うことで魁人が臨時教師として満月に勉強を教えている

満月の隣には高卒のはずなのになぜか一緒に頭を抱えている怜桜がいた


「こんな難しい問題、小学生に解けるわけないやんけ!」

「いや…普通に解けるし。やってこれ分数のかけ算やで?小学4年くらいのレベルちゃう?」

「なっ…」


魁人はそう言うが満月と怜桜は2人そろって眉間に皺を寄せて問題集と睨めっこしている

一向に文字を書き出さない2人



「あ!ひらめいた!」


満月はそう叫ぶと一気に10問さらさらと答えを書き出していく

そして魁人の目の前にそれをバンッ!と音を立てて置いた

顔が「天才だろう」と語っているようだ
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